2017/07/16
第19回「子どもの心」後期研修会が東京の新宿で平成29年7月16・17日開催され2日間参加しました。神奈川県立保健福祉大学の笹田 哲先生の“発達性協調運動障害児に対する生活動作の指導ポイント〜動きのピラミッド・ツールを用いて〜”の講演を聴く機会を得ました。発達性協調運動障害とは粗大運動としては猫背になりまっすぐたてない、巧緻運動ではスプーンや箸を使い巧く食べられない等四肢を使って上手に順序立て行うことがとても不器用で、巧みに身体を操作できないことにより自己効力感の低下など心理面にも悪影響を及ぼす疾患との事です。笹田先生は不器用を「動きピラミッド」で解析していくことを勧めています。ピラミッドの一番の底は、椅子座位姿勢、足接地、体幹の保持が基本で、その上に鉛筆を持つ、消しゴムで消す、両手動作などの手の動き、その上に黒板をみる、ノートをみる等のみる動き、それらを認知するのがピラミッドの頂点となります。幼稚園、学校での大部分は椅子に座り続ける作業となりますが、座る姿勢がまず大切で、その姿勢があってこそ、黒板をみたり、字を書くことができるとのことです。鉛筆の持ち方、消しゴムによる字の消去、斜めマスによるくせ字対策などについて講演されました。
福井大学子どものこころの発達研究センターの“子ども虐待と脳科学—アタッチメント(愛着)の視点から”友田 明美先生の講演はわかりやすく大変勉強になりました。子どもに対する虐待は大変深刻で、脳科学の面でも解明されてきているとの事です。体罰により脳は「前頭前野の減少」をきたし、言葉の暴力により「聴覚野の増加」をきたし、性的虐待、DVの目撃は「視覚野の減少」をきたし、こうした脳の損傷は「後遺症」となり将来にわたって子どもに影響を与えるとの事でした。