瀬川小児科アレルギー科医院/三島市寿町の小児科・アレルギー科

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第56回日本小児アレルギー学会学術大会に参加して

第56回日本小児アレルギー学会学術大会が令和元年11月2日(土)~3日(日)、千葉県幕張メッセ国際会議場にて、千葉大学大学院医学研究院小児病態学教授:下条 直樹先生の会頭により開かれました。
この学会のテーマは「根っこから考える子どものアレルギー~病態解明・治療そして予防へ~」でした。
アトピー性皮膚炎では、小児アトピー性皮膚炎の重症例の対応を名古屋医療センターの二村先生の講演を聴くことができました。重症例でもガイドラインに沿った標準治療をやるべきで、治療がうまくいかない時は、指示した治療内容を症状にあわせ問題なく実行できているか確認し、実行できない場合はその障壁を精査し情報を提供することが必要と述べています。気管支喘息はなんといっても、小児喘息で肺機能が低下していると、40~50歳頃より早く肺機能が低下し慢性閉塞性肺疾患になるリスクが高い(N Engl J Med 2016; 374:1842-1852)ことが、新たに提起されました。
小児喘息の肺機能をいかに低下させないで成人にすることは、肺機能検査は必須ですが、このあたりがミニシンポジウムで討論されました。
食物アレルギーでは、千貫祐子先生のスキルアップセミナーは、経皮感作の重要性を示している石鹸の加水分解小麦による小麦のアナフィラキシーと、α-GALによる牛肉摂取後に遅発性に出現する牛肉アレルギーの解析、血液型はA型、O型に多い笑いを伴った話、マダニの咬傷とα-GALの千貫先生の解析方法、子持ちカレイの魚卵によるアレルギーなど楽しく聞くことができました。
この2日間下条先生の開演の言葉から最後の閉園の話まで参加することができ、充実した2日間を過ごすことができました。
今後の臨床に活かしたいと思います。