2020/12/16
第57回日本小児アレルギー学会学術大会が令和2年10月31日(土)~30日(月)、WEB開催にて、東海大学医学部総合診療学系小児科学教授:望月博之先生の会頭により開かれました。
この学会のテーマは「小児アレルギー、四次元への展開」でした。
10月31日のLIVE配信で、足立 雄一先生(富山大学学術研究部医学系小児科学講座)の「新たな小児気管支喘息の治療・管理について―JPGL2020で何が変わったか―」では、長期管理の表が表形式からステップ形式へ変更になったこと、薬剤ではICS/LABAでFFCの導入がなされたこと、生物学的製剤の位置づけがアップし、メポリズマブ年齢適応の拡大、デュピルマブの導入、合併症へのアプローチ、移行医療の推進、内科へのスムーズな移行などを述べていました。
教育セミナーでは、藤澤 隆夫先生(国立病院機構三重病院アレルギーセンター)の「アトピー性皮膚炎の新しいバイオマーカーSCCA」では、現在のTARCはアトピー性皮膚炎を数値で評価できわかりやすく非常に便利ですが、年齢によって正常値が異なるのが欠点でした。今回のSCAAは年齢にかかわらず、一つの正常値でよく、アトピー性皮膚炎の鋭敏なバイオマーカーとして有用とのことでした。
イブニングシンポジウムの湯田厚司先生(ゆたクリニック)の「小児のスギ花粉とダニの舌下免疫療法―成人を含む約1600自験例の解析をまとめて」では、症例の多い湯田先生の話を聞くことができました。免疫療法が可能な年齢については4歳以下では舌下保持ができないため、勧めず5歳ではすべてが舌下保持が可能とはいえないとのことでした。スギ花粉とダニの免疫療法の併用は可能であり、スギあるいはダニのどちらかで1カ月以上経過したところで、スギあるいはダニを追加しているとのことでした。ゆたクリニックでは両者は5分あけて投与するとのことです。
今後の臨床に活かしたいと思います。