2021/07/06
第37回日本小児臨床アレルギー学会が令和3年5月31日(月)から6月23日(水)までWEB開催にて、同愛記念病院小児アレルギーセンター会長増田 敬 先生にて「アレルギーマーチ発祥の地から希望の道をつなごう~難治アレルギーの患者さんに学んだこと~」のテーマの元に開催されました。
1.これだけはやってはいけない!小児アレルギー治療
気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎の3疾患について話がありました。
①勝沼 俊雄(東京慈恵会医科大学附属第三病院 小児科)先生より気管支喘息について講演がありました。繰り返す喘鳴が必ずしも喘息とは限らず、鑑別診断が必要なこと、吸入ステロイドを単に最大量に増量しても、思ったほど臨床効果があがらず、ステロイドの副作用が目立つことなどの話がありました。
②海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)より食物アレルギーについて、IgE抗体が陽性だけで食物除去をおこなわないこと、食物を除去していた場合自然寛解があるので、適切な時期に診断を見直し余分な除去を行わないこと、免疫療法は思わぬ重篤な症状の可能性があるのでその対応ができる施設において行われるべきであるとの話がありました。
③江藤 隆史(あたご皮フ科、東京逓信病院 皮膚科)先生よりアトピー性皮膚炎については、ステロイド外用剤はけっして薄くのばして塗らないことの重要なアドバイスを頂きました。
2.喘息と呼吸理学療法の実践
このテーマはこの学会らしいテーマと思われました。
臼田 由美子(群馬県立小児医療センター リハビリテーション課)先生より小児の喘息と呼吸理学療法の実際の話がありました。主に発作時の姿勢の工夫、排痰の介助、呼吸筋の可動性を促すなどの話がありました。当院では非発作時の体位排痰法を実施していますが、発作時の理学療法について勉強になりました。
今後の臨床に活かしたいと思います。