瀬川小児科アレルギー科医院/三島市寿町の小児科・アレルギー科

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第40回東日本小児科学会に参加して

1年に1回東日本で開催される大切な学会です。今年は11月23日東京医科大学河島尚志先生の主催で新宿にて開かれました。①小児の頭痛②性分化の仕組み③ワクチンの筋注と皮下接種④小児科医の遭遇する代謝性疾患⑤小児の難治性中耳炎の治療~小児滲出性中耳炎ガイドライン2015の解説を含めて~⑥ミトコンドリア病⑦食物アレルギー⑧遺伝子解析などの講演を聴きました。今回学会でも中耳炎を取り上げていますが、小児は成人よりも解剖学的な理由から急性中耳炎、滲出性中耳炎になりやすいです。急性中耳炎は痛みがあり、乳児幼児期は不機嫌、手を耳にやるなどの症状で気がつき、鼓膜も発赤があり診断も比較的容易です。それに対し滲出性中耳炎は痛みのない中耳炎で鼓膜の発赤はなく、聴力低下をきたし発症3カ月以内に75~90%は自然になおりますが、10~25%が慢性化します。私の外来では12,000人の受診者の350人前後を滲出性中耳炎と診断しています。この診断は鼓膜の所見をとらないと診断できず、乳児、幼児の診察の機会の多い小児科医師が診察時に鼓膜の所見をとり診断していく必要があると考えます。それにより子どもたちの生活の質が上がるからです。