瀬川小児科アレルギー科医院/三島市寿町の小児科・アレルギー科

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第50回日本アレルギー学会専門医教育セミナーに参加して

2016年8月28日東京にて開催されました。蕁麻疹・血管性浮腫診療の実際、アレルギー性鼻炎・花粉症、成人気管支喘息、小児気管支喘息と関連疾患、アレルギーが関与する眼疾患等のセミナーを受けることができました。成人気管支喘息ではガイドラインを中心に治療に関する説明がありましたが、昔のように、陥没呼吸が著明でヒューヒューするような喘息発作が少なくなったとの説明があり、喘息の初期症状には特に注意する必要性を感じました。
アレルギーが関与する眼疾患では、ソフトコンタクトと点眼の説明がありました。花粉症で目薬を差す場合、コンタクトレンズを外してから点眼するのが一般的です。理由としては、点眼液に使われている防腐剤「ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物)」が、ソフトコンタクトレンズに吸着し、目に障害を与える可能性があるとのことです。アレジオン点眼液は、防腐剤を「ベンザルコニウム」から「リン酸水素ナトリウム水和物」および「ホウ酸」に変更し、ベンザルコニウムを使っていない製剤ですので、コンタクトを外さずに点眼することが可能との事でした。また、PR製剤という、防腐剤フリーの点眼液が発売されています。抗ケトチフェンPF点眼液0.05%「日点」(ザジテンジェネリック)、クモロールPF点眼液2%(インタールジェネリック)、トラメラスPF点眼液0.5%(リザベンジェネリック)があります。これらは「ベンザルコニウム塩化物」を含有していないため添付文書にも「ソフトコンタクトレンズを外して点眼するように」の記載がありません。しかし、メーカーはソフトコンタクトレンズを外して点眼することを推奨しています。防腐剤にアレルギーのある方や、コンタクトレンズがどうしても外せない方にはこのような防腐剤フリータイプも選択肢の一つとしてよいかとの事でした。今後の臨床に活かしたいと思います。